治療の着地点:香害被害を受けた人の覚悟

充分に注意しても身近な影響を与える物質は沢山ありすぎて、良くなったり悪くなったり波があり、また、新たな成分で暴露し再発し悪化する。どこを目標に治療を勧めていけば良いのか、ひどく迷ったことがあります。

その時に主治医が、
「逃げ惑わないで生活が送れる事」と即答してくださいました。

そうなのです。私たちは特効薬ができるまで、完治することはなく、環境に左右されながら生活を工夫しなければならないのです。

仕事ができるまで頑張る! 倒れないようになる!と言うと、とても遥か先で気が遠くなる!プレッシャーも大きい。動けないのに、なんとかしないと…、と焦り出来ないことの怒りを周囲に向けてしまう。

今の現代社会の中で、私たち患者が生活していくことはとても難しい事なのだ、という事を認識する必要があるのです。

完璧に治る事を望んでも、特効薬がない現在は「逃げ惑わないで生活が送れる事」が今のベストだと考え、そこが着地点だと考えれば覚悟できると思います。