家族編|香害被害者の毎日

家族や周囲の人は環境を変える努力を患者さん以上に注意しなければなりません。

暴露しているものや、個体差や段階によって反応するものが違いますので、簡単に患者さんにあったものが見つかりません。

日用品を極端に薄めて使用したりすることもありますが、最近は香りなどを添加する前の各製品の基本成分を販売するようになってきました。

原料臭がありますが参考までに記載します。

  • シャンプー、リンス、コンディショナー=重曹
  • ボディソープ=重曹、グリセリン
  • 入浴剤=グリセリン、硫酸ナトリウム
  • キッチン洗剤=セスキ炭酸ソーダ、重曹
  • 洗濯洗剤=過炭酸ナトリウム
  • 漂白剤=過炭酸ナトリウム

見つかるまで、購入しては廃棄(返品)を繰り返す必要があります。

今まで問題がなかったのに急にあわなくなる事もあります。

家族や大切な人が、臭いを気にし始めたら、家庭臭を繰り返し感作して悪化させ攻撃的にならないように、最低でも全ての日用品を見直す必要があります。

体臭にも反応する。

症状がひどくなって、自分・家族や他人の体臭まで反応し始めたらかなり深刻な状態になるシグナルですが、

この時期に、多種化学物質過敏症(MCS)に進行しておらず、アロマ系に感作していなければ、苦しくなった時にだけハンカチやタオルに染み込ませた本人の好きな香りで気をそらすことは可能です。

(しかし、頻繁に使用すると悪化させる事があるので使い方には十分に注意が必要)

患者さんが一緒に過ごす事ができなくても、病院で入院治療はできませんし、介護施設などで安全に一時避難出来る場所もありませんので、患者さんの言動で家族が忍耐の日々を過ごす事になるのです。

その状況に家族も患者さんも耐えられなくなると、別宅を用意したり保養地が必要であったりし、二重の生活が強いられます。

自分の意思ではないけれど、環境の悪化で攻撃的で柔軟性にかけていく患者さんや、それをまとも受け止めなければならない家族の精神的苦痛やかかる費用を考えれば、日用品を切り替えることで終わればとても楽なものです。

大切な事は、環境を変えてもあなたも家族も壊れないけど、放置すればあなたの大切な家族は崩壊し生活が成り立たたなくなる危険性があると言うこと。

家族全員が積極的に環境の変化に協力する必要があるのです。

私にはサポートしてくれる家族はいませんでした。

鋭く過敏になった嗅覚と多種多様な症状が出て、言葉に表せない苦しみから逃れたくても、一人ではどうしようもなく、逃げることもできずに部屋の中で、ひとりで大声を上げ泣きながら怒鳴り散らしてしまう事もありました。

これが、精神的な問題を指摘される理由でもあるのでしょう。

地球上の全てのものに怯え、体も心もへとへとで寂しくて、心細くて、苦しくて…。

相談する相手もいない為に、なにもかも一人で歯を食いしばっているときに、味方がそばにいてくれたら、家族がいたらどんなに…と思うことは沢山あります。

家族の配慮と助けが必要なのです。

どうか患者さんを見捨てないでください。

それがどんなに苦痛に満ちたものか理解していますが、患者さんを一人にしないでください。

特効薬が出来るまで、環境が変わるまで、死ぬまで苦しみを共有してあげてください。