ひどく過酷な話だが、香害が気になる人の基本は
「いつかまた良くなる」「影響を及ぼす環境に耐えている人と同じように症状が出ないで問題なく日常生活が送れる」「今の生活が維持出来る」と思わないことだ。
残念ながら「いつか良くなる」というのは、「特効薬が出来る」もしくは「行政が問題のある企業への根本的な解決策」を導き出さないと幻想だ。
香害の問題の大きさは、ただ気持ち悪い、くさいという心象や頭が痛い、吐き気、腹痛などの実質的な諸症状が出ることではない。
今のところ一度、起こってしまうと日常生活が送れなくなり、完治する見込みがなく、緩和したり悪化したりを繰り返すだけになってしまう事である。
ひとつも特定されていない現在、特効薬を望むのは難しい。
わかっているのは、「影響を及ぼす環境」があるということだけだ。ゆえにその「影響を及ぼす環境」から離れないことには、話にならない。
「呼吸が出来る環境」が第一優先
香害被害者は将来の生活の不安でいっぱいである。
精神的サポートが必要?医療的にどの分類に属するか?という議論も大切なのかもしれないがそれ以前に「呼吸が出来る環境」は第一優先なのである。
これだけ拡大した「影響を及ぼす環境」を放置する事は政治的にも得策ではない。
各県・市などの公共の賃貸は間取りが広く、窓が多い物件は換気が助かるが、そのような物件を優先的に提供がされていないので、孤立して保証人さえいない人たちの救済を含め、早急に公共機関では考え検討してもらいたい。
しかし、それが実現しても近隣に喫煙者や香料の強い洗剤類を使用した洗濯をまめにする人がいる、または、除菌剤・消臭剤・除草材の散布などがあれば完全にアウトである。 それが現実であり、現状では回避できない事である。
とてもシンプルな解決方法がある。それは!
ひと団地(地域)まるごと、「クリーンエリア:喫煙・香料・除草剤などの使用禁止地域」を作ること。
現にトレッキングで整備されていない里山で、他のアロマの臭いさせた登山者に出会わなければ、呼吸は楽に出来、化学物質過敏症の特有の症状はなく、体は軽くなる。
我々は働ける環境があれば仕事をしたいのだ!
逃げたくないのだ! 生活や家族を失いたくないのだ!
香害被害者が脅かされる事なく自立して経済活動が出来る環境さえあれば、医療費も障害年金の支給も抑えられる。
当然、投資をするなら生産性の高いものを選択するべき。
キーワードは過疎地域
過疎が懸念される地域を「クリーンエリア」にして積極的に香害被害者に誘致すれば、大きな経済的な有効な変動を生むだろう。
100%ではなくても、野放しの現状よりはるかに有効である。
実際にドイツのヴォルフハーゲンで街ぐるみで環境に取り組んでいる実例がある。
行政の動きに期待をしたいが、
現実の住環境は生活保護に対応し患者が呼吸できる物件はかなり厳しい。
個人的には、就職ができないために預貯金を全て使い果たして生活保護になって家賃補助、医療費が補助されても、一時避難や清掃の為の費用など様々な金銭的負担が大きいので、まなかいきれないのが現実である。
連絡をくれる患者さんたちも最初は香害の苦しさを訴え、つぎに生活の不安を訴えて来る。
自身もアンモニア水(気付け)によるコントロールをする以前は、
人・テレビ・インターネット・携帯など外部の接触、外出や食事もろくに出来ずに、酸素不足の金魚のようにただ苦しく医師もどうにもできないような状態で長いこと完全に孤立をしていた。
精神的なサポートがあっても、実質生活が失われた私たち患者がどうしたら生きて行けるのか方法が見つからない。
二度と「影響を及ぼす環境に耐えている人」と同じ生活に戻れないと自覚し、出来るだけ預貯金を失わないように節約しても、日々香りの攻撃は続くので湯水のようにお金は出て行く。
香害被害にあってしまったら、どこかの時点で自分の手で人生のクローズをしなければならない覚悟も必要なくらい切羽詰った状況になる。
だからこそ、
香害が気になる人は自分の今置かれている「影響を及ぼす環境」を捨てる。
以前の自身がそうであったように、「影響を及ぼす環境」を無視して執着し残れば、道端で転げながら苦しみもがくようになってしまう。
身を守る事を第一優先にして、今あなたを脅かしてる「影響を及ぼす環境」から大至急に「離脱」をしたほうが「勝ち」であり「楽」である。
また、政治的配慮が出来た政党が注目を浴びていくであろう。