筆録|アンモニア水(気付け)でコントロール被験者録④|吸入後59目

気付け薬(アンモニア水)の治療のまとめ報告
制作日 2016年1月8日《吸入後2ヶ月》■被験者の情報

  •  2004年最初の暴露、2005年(10年前)に化学物質過敏症と診断される。
  • 症状:頭痛、頭の圧迫感、頭部が一杯に詰まった感じ、眼の刺激、やける感じ、しみる感じ、息切れ、咳、鼻汁がのどの奥の方へ流れる感じ、喉の痛み、動悸、胸の不安感、お腹の痛み、胃けいれん、膨満感、吐き気、下痢、便秘、発疹、じんましん、アトピー、皮膚の乾燥、筋肉、関節の痛み、けいれん、こわばり、力が抜ける、めまい、立ちくらみ、目のピントが合わない、緊張しすぎ、あがりやすい、刺激されやすい、うつ、泣きたくなったり激情的になったりする、以前興味があったものに興味が持てないなどの気分の変調、集中力、記憶力、決断力の低下、無気力なども含めた思考力の低下などの化学物質過敏症の特有な症状が常にある。
  • アレルギー値の変化の把握と、余病の発病のチェックの為、状態によって2週間~1.5ヶ月おきの通院。
  • 通院時に血液検査を実施。漢方薬とアレルギー薬の投与

暴露経緯 暴露時期と状況 一番 敏感に反応した臭い

1度目 2004年(平成16年)フロアカーペットの接着剤 エレベーター内、内装工事、ワックスなど
2度目 2012年(平成24年)除草剤 除草剤、農薬
3度目 2015年(平成27年)6月三次喫煙(副流煙残留物) 喫煙
4度目 2015年(平成27年)10月天然オーガニックアロマ、 シャンプー、柔軟剤、香水、整髪料

気付け薬(アンモニア水)の吸入前の状況

2015年11月10日現在 喫煙・香水などの臭いで意識レベルが悪く、身体が動かず無気力になり、ほとんど毎日寝て過ごす。受診時に医師の言葉が理解できない、病状を説明できない・泣き出すなど外出するたびに症状が悪化。通院も困難になりかけていた。
(2015年10月には復帰の目処がつかず、一時期病状が安定して行っていた仕事も退職せざるを得ないほどに悪化していた)

気付け薬(アンモニア水)の吸入時 2015年(27年)11月11日 吸入
■使用した商品名:日本薬局方 第3類医薬品 アンモニア水(市販のかゆみ止め用アンモニア水)
■ 吸入後すぐにスイッチするが他の暴露と同様に化学物質過敏症特有な症状が強く出る。
■ 当初、他の暴露と同様にアンモニア臭を強く感じるが、1ヶ月半位後には強く感じなくなる。
※お勧め:当日は身体を休めてゆっくり過ごす

気付け薬(アンモニア水)の吸入後 翌日~1ヶ月半

[11月12日] 翌日
化学物質過敏症特有な臭いに対する反応は一切消える。症状はかなり軽減されているが残る。洗剤、シャンプー、柔軟剤にも反応をしなくなる。苦痛であった臭いが「良いかおり」と感ずるようになる。
■外出時、美容院、化粧品売り場、交通機関、喫煙者との会食で臭いはするが、悩まされず気分も極端に悪くならなかった。

[11月25日] 2週間後 アンモニアの血中量は正常値

[12月10日] 1ヶ月後 化学物質過敏症の特徴的な症状は徐々に少なくなる

[12月22日] 新たに喫煙で暴露。身体が急に動かなくなったので、気付け薬(アンモニア水)を吸入する。
すぐに体調が戻る。(この以降はアンモニア臭が「強く」感じられなかった)

■2ヶ月間の気付け薬(アンモニア水)の吸入回数 3回

■《副作用と考えられる事

初回、気付け薬(アンモニア水)吸入後、カーペットの接着材・喫煙・オーガニック天然アロマで暴露した時と同様の諸症状と、インフルエンザにかかったときのような身体の痛みが数日続いた。一時期、独り言が多くなった。

【注意点】 「臭い」消えるが「症状」は残る

化学物質過敏症の人が、何かのきっかけで臭いに敏感になるように、気付け薬(アンモニア水)吸入後すぐに変化が起こる。結果として化学物質過敏症者にしか理解できない、研ぎ澄まされたような感覚が失われる為、下記の項目を認識しておくと良い

《特に重要》今までは、遠くから近づいてはいけない臭いを感知できていたが、急に感知ができなくなる為、環境が悪化している場所に近寄らない意識を持つ事が必要。(喫煙所、排気ガス、香水などが多く漂う場所、喫煙者の近くは避け、三次喫煙(副流煙残留物)も注意)
※お勧め:気付け薬(アンモニア水)吸入前に近寄ってはいけない場所など記録しておくと良い。

  • 臭いに悩まされずに身体が動くようになって、どこにでも行けるようになり、一時的にテンションが高くなる為に症状が残る事を忘れてしまうことが多い。
  • 安定するまで欲を出さず、行動を抑え、身体が動かなくなったら、休養を取る。
  • 症状を緩和する薬を忘れずに服用する。
  • 食事や香りが以前のように美味しく、心地よく感じるようになるので、過剰摂取しない。
  • 今まで、日光に当たることが少なかった人は日焼けなどの肌トラブルに注意する。
  • 長期にわたって動けなかった人は、体力的なパワーと気力がそぐわないので、怪我や他の病気を誘発させないよう注意する。

被験者の感想

今回の治療は「一番強く暴露した臭いによって、反応する対象物の順位が変わる」という事実から、

気付け薬(アンモニア水)を使い、生活環境に多くあり体調に大きな影響及ぼす「喫煙」や「フレグランス系」の反応が軽減する事を期待して始めた治療ですが、

実際には、大きくブレてしまったものを、気付け薬(アンモニア水)で正しい位置近くに戻し、薬で小さなブレを調整しながら元に戻して行くというイメージの治療になりました。

アンモニア水については、し尿処理設備が整っていなかった時代に、日常的に存在していた程度の臭いですがアンモニア自体は大量に摂取すると身体に重要な影響を与えてしまいます。

当然、化学物質過敏症の人には不向きなものという認識ですが、検査で肝臓などに障害をないことを確認した上で、生化学辞典などでアンモニアの成分・影響や使用方法などを調べてから治療を開始しました。

気付け薬(アンモニア水)の吸入後

すぐにベットから起き上がり、シャンプー・コンディショナーで髪を洗い、通常の洗剤と柔軟剤で洗濯をしました。

10年間ほとんど作れなかった食事を作り、美容室で白髪染めとパーマをし、ヘアームースで髪を整え、化粧品を使い、通勤電車に乗って外出し、買い物に行き、疎遠になっていた友人とランチをし、バスツアーに参加し夜景を楽しみ…など、昨日まであった制限が突然にすべて外れ急激に元気になり周囲の人は驚き、逆にとても心配していましたが、

一番、驚き、喜び、諦めていた「生きる」希望を取り戻し、臭いに怯えていたのを忘れて夢にまで見た生活を送りながら、この10年間はなんだったのだろう…。

これは本当だろうか?と困惑し、そして明日には元に戻ってしまうかも知れない不安と恐怖で1ヶ月半を過ごしたのは私でした。

最近では「軽度の症状だけ」と安心せずに、排気ガス、香水などが多く漂う場所、喫煙者の近くは避け、三次喫煙(副流煙残留物)にも注意して、出来るだけ気付け薬(アンモニア水)の追加吸入の必要がないように生活を一から整え生きて行こうと、考えられるようになってきました。
一般的に理解されにくいこの苦しみが軽減されますように心より願って個人情報の開示をいたします。

備考(私見)

気付け薬(アンモニア水)使用方法の質問をいただきますが、化学物質過敏症の人は一瞬しか匂いを嗅げないだろうし、頻繁に嗅ぐ必要もなく追加吸入もそれぞれの体調にあわせれば良いと思われます。

※お勧め:化学物質過敏症と他の病気の症状と区別を付けるためにも記録を取ることをお勧めします。(私が使用した記録表はお問い合わせいただければ差し上げますので参考になさってください)

体験した事実しかお伝えできませんが、質問などございましたら、お問い合わせください。