香害に発病すると|家族・職場・学校

患者さん達とお話すると、個人差はありますが、ほとんどの方は悪化の一歩手前で症状が強く出たり、弱まったりしているようです。

この段階から【症状の緩和】に移れるとベストだと思いますが、この時点ですでに周囲にすれば厄介者にしか思えません。

当人は先が見えず情報は混沌としているし、しっかりしているつもりでも自信が持てない、対応方法がわからない。

周囲に理解してもらえないので、

不安定な日々に苦しみ、まるで真っ暗な小さな箱に詰め込まれているようで、呼吸も満足にできず逃げる事もできず、なぜ自分だけが…。と絶望の中で苦しんでいる一番つらい状態なのです。

  • 車は乗れるし、料理も作れるが、通勤や通学など外出が出来なくなって来て、日常生活・外出に支障が出始める
  • 暴露したものに繰り返し感作され、多種の臭いが気になり始める。症状が多様化し表面化する
  • コミュニケーションに支障が出始める
  • 認識や思考力が不安定になり、攻撃的なイメージを持たれる場合が多い
  • 言語力が落ちる
  • 文章として成り立たない。主語・述語もバラバラで特有な文章を書く。指摘しても、本人はどこか違うのかまったくわからない。
  • 柔軟性がなくなり孤立する
  • 感作されている期間、一定の思考にしばられ問題行動でトラブルが多くなる。厄介者のレッテルを貼られ誰も近寄って来ない

本人が色々なものが臭ってきて気になりだしたら、緊急に環境を変える努力をしなければなりません。

簡単なことではありませんが、安易に放置しないことが重要です。

マスク自体の臭いがきつくてマスクも出来なくなる、料理の臭いさえも苦痛になってきて、気がつけば、臭いが少ない食事だけを選ぶようになったら、【悪化】に進む可能性があります。

香害被害にあっている、その人の人生は、家族や職場・学校の対応ひとつで決まります。

今までは暴露したものに繰り返し感作され、多様なもの臭いが気になり始め、「神経質」とか「ヒステリー」「人の意見を聞かない」「頑固」という言葉が周囲から出てきます。

この時期になると、思考力が不安定になるため、行動力が乏しくなり、ある一定の思考にしばられ、柔軟性がなくなり孤立し治療さえも拒絶して困難になる場合もあるので要注意です。

問い合わせを頂いていた方も、急に攻撃的な文章になったり、拒絶したり、怒ったりします。発病初心者の人には自分が今どういう状況か把握できていませんし何に注意をしたら良いかもわかりません。

クタクタ

私だけでなく、多くの患者さんが始めは自分では気がつかないまま、医師や家族、周囲が驚くような行動に出ています。

私も本当に苦しく耐え切れず、泣きながら道端で膝まずき「お願いですタバコを辞めてください。私を助けてください」と懇願しながら叫んでしまったことが幾度もあります。無関係の通行人には異様な光景として映ったはずです。やっている本人もびっくりし、とても恥ずかしいのですが、止められないです。

人は臭いに慣れる機能を持っていますが、その機能は稼働せず、香害被害者はコントロールできない犬のような研ぎ澄まされた嗅覚が、我慢できないあらゆる臭いを常に感じ取り、苦しみ抜き精神状態はクタクタです。