記録の重要性(とっても大変だけど)

この病気は、病気そのものを説明することが、まだとても難しいのです。

たとえば患者さん同士で、よく話題になるマンションの大規模修繕ですが、全くダメな人もいれば、ちょっとダメな人も、大丈夫な人もいます。以前は大丈夫だったのに、今回はダメということもあります。

どうしてでしょう?

同じ成分、同じ時間、同じ気候、同じ住まい、同じ経歴、同じ環境などなど…。ではないからです。

統計上でも、これほど多くの誤差があるものを数値化をすること自体は意味をなさない。

曖昧に体調が悪くなる可能性があるという説明では、ただのクレーマー扱いになり、環境の変化をきちんと伝えられません。

つまり、自分自身の記録をとって「こんな状況でこのような症状が出る」と、データ化して伝えるしか方法はないのです。

実験台になるのは嫌だ

と言う患者さんもいますが、

私が実際に歩きタバコで感作し、1週間の間、飲まず食わずで、寝込んでも

驚くことに体重も減らず爪も伸びず冬眠していたような状態で、すぐに死にませんでした。

確かに暴露や感作はとてもつらく、生活も家族もすべて失われますが、緊急な病気でないことは確かです。

現在の環境が、社会不適合者を増加させているのも事実です。

多くの公害病がそうだったように、患者さんたちが身を削って環境の変化を伝えていく方法しか、今のところないのです。

記録をとることにより、自分の状態を把握できるだけではなく、今現在、何に監査しているのかも、わかってきます。

臭いが少しでも気になりだしたら、必ず記録を取る。現代社会で自分や家族を守る唯一の方法です。

下記は実際に使用してる記録用紙です。

香害・化学過敏症の記録用紙